2014年08月11日

車を使ったレジャーに行く人 再点検を

毎年海の事故山の事故には厳しい我がブログである。

神奈川で起きたキャンプ場の事故の件である。
川の中州に作られたキャンプにテントを張り、増水したため車で避難しようとして流されたという。

関係者の方にとっては厳しい意見になってしまうかとおもうが似たようなことが起こらないようにという思いで意見を述べたい。

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報道によれば中州にテントを張るというのは非常識であるとか、業者が違法に中州を埋め立てていて増水したらあふれやすい構造になっているとか、さまざま人災が指摘されている。

だが、報道を眺めているとどうも違和感を感じる点がある。
中州というから大きな川の中央に島のようになっているのかと思いきや、解説図を見ると川は中州の側方片側だけを流れ、もう片方は水が流れていないか、ごく細い水路程度であり、その先は山林になっていたようである。中州というよりは川の対岸を埋め立ててキャンプ場を拡張したかのように見える。

そして、わざわざ川の流れている方を車で渡ろうとしており、それで事故が起きている。

当然増水した川では四輪駆動車といえど無力である。いくらタイヤが回ろうとも水流に対峙して踏ん張るだけの自重が足りないし、ジープのような開放型のボディならまだしも、普通のレジャー用車では密閉性の高いキャビンが浮きの役割を果たすだろう。

なぜ車で逃げたのか。そこが疑問だ。
解説図をみるかぎり中州にも小高い場所はあったようだし、川の反対側は山林だ。
「車を捨てて」高いところに避難すれば逃げおおせた可能性が高かったのではなかろうか。そもそも中州全部が水没したわけではないという。
この事故は車がキーになっているのではなかろうか。

自動車学校では四輪駆動車で川を渡る方法など教えてくれない。よって何が危険かも教えてくれない。
先にも述べたとおり、四輪駆動車といえど軍用車や特殊作業車なら話は別であるが、たかだか一般向けの乗用車に過ぎなかったことだろう。

危険か否かを判断する能力が足りなかったことは充分に考えられる。
個人の責任はともかくとして。

まず、これは全くの推測であるのだが、車が大事で車中心の価値観になっていたのではなかろうか。車を捨てるとはあり得ないと。
自動車は高価である。ゆえに捨てがたいというのもあろう。
だが、車を趣味にする人の感覚は理解しがたい部分もある。私は車に乗らないし、日ごろバス、タクシー以外には触れない。周囲の知り合いも車に乗るどころか免許もない人がほとんどなので理解しがたいのはしかたあるまいが。
出かけるとなれば近かろうが、渋滞が予測されようがとにかく車、車、車。ピカピカに磨き上げ、彼らの意に染まぬ触れ方(ドアの閉め方とかね)をすれば激怒する。そういう人も珍しくない。だから車好きと出かけるのは嫌なのだ。

この事故の場合、行き(中州にわたる)も帰り(戻る)も車を使うべきではなかったのだが何が何でも車という意識は働かなかったのだろうか。
この車第一主義が判断を誤らせた可能性がないとは言わない。記事だけではわからぬし、今後裁判などで検証されるわけでもなし。個人が考えるしかないのだが、何が何でも車、で客観的な判断を損なっていないか考えてみることは悪いことではない。

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もう一つ原因があるとしたら巷の四輪駆動車信仰(?)ではなかろうか。
話題がそれてしまうようにも思うのだが。

四輪駆動車のCMを見ると、今回の事故のように川を蹴散らすようにわたっていくものがある。おそらく、「退屈な都市生活の日常を、この車でワイルドに解き放って」とかそういうメッセージなんだろうが、快適なキャビンの四輪駆動車にのってんなにがワイルドか。
現実に今回の事故で専門家は川の水深が50cmになれば到底渡れるものではないと発言している。なるほど、CMではちょろちょろと流れる浅い川を渡っていて、水深50cmの川でも渡れるという嘘は描いていないかもしれない。だが、トータルとして自然を蹴散らすことができる車だという誤ったメッセージを投げかけていないか。

そこをいわゆるスポーツカーと対比してみたい。舗装路を高速で走るタイプである。
世にスポーツカーと言われるものがあり、現代ではお金さえ出せば250km/h〜300km/h出るような車も手に入る。さらに高性能な車もある。
とはいえ、その性能を発揮する場所は公道にはない。性能を発揮するにはレース場を借りるなど費用も手間も時間もかかる。それをせずに公道を高速で走るのはバカ者だとされる。高級外車で高速道路を集団暴走し玉突き事故を起こした馬鹿者がいましたな。
多くの「正しい」スポーツカーオーナーは実際に性能を発揮させるのではなく、そうした性能を秘めている車を所有しおとなしく走らせていることを喜びにしているのであろう。やるときにはやるのであるがあえて出さない。それでいい。

これに倣えば、悪路を走破する性能をもつ四輪駆動車を持っていても、その性能を発揮させることをせず、所有する喜びを楽しむのが正当ではなかろうか。
性能を発揮させたいのであればスポーツカーにおけるレース場と同じく、人工的に作られた悪路コースを走るべきであって自然を蹴散らして走っていいとは思えない。
自然の中を走れば公道で高速を出すのと同じく様々な問題がある。
脇を人が歩いているかもしれないし、貴重な生物の住処を破壊しているかもしれない。当人に危険が及ぶか否かも制御されていない。
ことに自然破壊という意味ではオーナーは真面目に考えてほしいものだ。

今回のように川の浅瀬に乗り入れれば底生生物の住処は破壊されてしまう。流れのはやい浅瀬に生きる底生生物は川をきれいにしたり魚のえさになったりと大切な役割を持っているのだ。
また、砂浜に乗り入れる馬鹿者もいるがこれも許しがたい。
砂浜はウミガメが産卵しに来る場所もある。ウミガメのみならず満潮時に波がかかるかかからないかのところに産卵する魚もいる。
そこを踏み荒らし卵を壊し轍を作って海への回帰を妨害する。迷惑な存在だ。

以前見た四輪駆動車のCMの話である。海外のCMだったと思う。
高級住宅街に続々と高級自動車が帰ってくる場面である。
高級セダンが豪華な門をくぐる。次に高級スポーツカーがこれまた豪華な門をくぐる。次に四輪駆動車は門に積み上げられた大きな岩を乗り越えていく。
セレブがパーティに乗っていくような質感がありつつ性能もありますよとアピールしつつ自然を蹴散らせとは言っていない。粋なCMだと思った。

どうも、四輪駆動車で川を渡るという時点で根本から間違っているようにしか思えないのである。快適にワイルドを気取りたいという滑稽さを感じる。

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今回の事故を報道だけで見て、自動車に縁の薄い私が偏見だけで書いているので誤りはあろう。
今回の事故には当てはまらないのかもしれないが、車をレジャーに使うとき、特に自然と触れ合うようなレジャーに使うとき、その安全や自然環境に及ぼす影響を冷静に考えていただきたいのである。
posted by Mozzo at 05:42| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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