2015年04月25日

原発再稼働差し止め すれ違う議論 というか議論がない

旧聞になるが福井地裁で高浜原発第3、第4号機の運転差し止めの仮処分判決が下った。
仮処分であるためこの先上級審で覆る可能性は充分にあるのだが、判決が確定するまで効力が生じない通常の判決と異なり、仮処分は判決が覆るまで再稼働のプロセスを止める効力がある。

時間がかかるとそのまま事態が変わってしまう問題に対して仮処分というものがあるのだが、原発賛成派にとってはまさに実害と言ってよかろう。仮に上級審で覆せるとしてもそれまでの間再稼働の手続きが止まるわけだ。

この判決に原発賛成派は怒り反対派は沸き立った。だが、冷静に考えるとどちらともちょっとおかしい。もうちょっと理性的に考えてもらいたいものだ。

まず原発賛成派について。
気に食わない判決が出たから怒るのもわからんではないが、あまりに非論理的では世論が離れていくものだ。

「司法の暴走だ」と批判する。しかし、これが三権分立というもので互いに抑制しあうのは民主主義だ。その結果非効率になることもある。ズバッと決める独裁体制のほうが話が早くて結果はいいかもしれん。だが悪いこともズバッと決まるのである。これを否定してはいかん。どんなにまどろこしくても、コストがかかろうともだ。
無論、司法があまりに偏った判決を出すなら、行政からは任命権で、立法からは対抗する法律改正で抑制できる。暴走とは言いすぎだ。

「たかが地方の裁判所が国策について判断していいのか」という批判もおかしい。ルール通りだし、最終的に最高裁の判断を仰ぐこともできる。また地方が下だという感覚も前時代的でどうにも鼻につく。
無論、簡裁、地裁の存在意義が現代にあっているのかという議論はあっていい。この情報社会において、地方のことは地方にしかわからないということはない。交通も発達しており、何なら裁判所は全部東京に集めて上中下の三審制。交通費は国費でであれば問題はないし、トータルでむしろ効率的かもしれぬ。人的交流もできる(北海道の案件を裁いた人が翌日は沖縄の案件なんてことも可能だ)。もともとから地方裁判所を否定していて原発騒動と切り離して議論をしていたというならそれは一理ある。
この判決が出たから地方がどうのというのはどうにも恰好がつかないと思わないのか。
当然裁判には国対地方という図式のものもある。地方裁判所でその地方の担当者が扱ったら地方有利に傾くという邪推もできる。司法関係者がそこまで心が弱いとは思いたくないが。現にあの諫早の干拓地での開門訴訟で佐賀と長崎で「地元の要望を忖度したような」矛盾した判決が出ている。
しかし同じ理屈で中央の人に扱わせたら国が有利になるともいえよう。
国が、地方がという切り口でなく、判決に道理が通っているかどうかの切り口で語ってほしい。

では反対派が正しいのかといえばとてもとても。
この判決に先駆けて大飯原発でも差し止め判決が出ているのだが、同じ樋口英明裁判長である。日本中でこの人しか差し止め判決を出していないという。大飯原発も高浜原発も福井にあるから福井地裁でやるという理屈なんだろうが、相手は関西電力であるのだから、関西電力の所在地大阪でやるのが筋だ。
この裁判官が原発反対派であり、わざわざ狙って福井で提訴したという見方が大勢である。
あざとい訴訟戦術であると思う。
この判決に道理があってどの裁判官がやっても同じ判決が出るならまだしも、あるいは複数の裁判官が同様の判決を出しているというならまだしも、日本中で差し止め判決が出ない中、二つも出しているというのはこの裁判官が平均より偏っているとしか思えない。主張の正否は別として平均から偏っているのは確かではなかろうか。
反対派は「彼だけが正義の裁判官なのだ。ほかの裁判官が間違っている」というだろうし、推進派は「偏った裁判官で間違っている」と言うだろう。端的に間違っている、いないということを決めつける気はないがあまりに策略が前面に出すぎだ。
そのため、道理として通る議論がないがしろにされているように感じる。

反対派の論理は乱暴である。100%の安全がない。それじゃダメというものである。
100%の安全なんてことはありえないのである。
このブログで以前にも指摘したのだが上っ面の議論ばかりで哲学的な議論が足りていない。
原発や核施設(高レベル廃棄物の貯蔵所とか)の100%の安全はあり得ない。
自発的な事故、つまり原発を理想的な空間に置いたときに内部から発生する事故というのは理論的に事実上ゼロにできる。理論的に設備の故障を封じ込める仕組みを設計しそれを全品検査すればいいのである。
たとえば、ステンレスで肉厚のコップを作って水を入れて10気圧かけても水が漏れなかったものだけを選んでおけば「今日一日、このコップに入れた水は100%漏れません」と言い切っていいだろう。肉厚のステンレスが腐食する速度に充分な安全係数をかけ全品検査すれば100%といっていい(論理的には違うんだが)。
複雑度はけた違いだが原発にも同じ理屈で100%の安全を求めることができる。現実に合理的なコストでできるかどうかは別として。

だが原発には外的要因というものがある。
心配されている地震や津波もあるしテロで航空機が衝突するかもしれない。想定できない何かが起こるかもしれない。先のコップの例で言えば大地震が起きれば水はこぼれる。
想定できる何かでどう考えても人間の技術で抗しえないのは小天体の衝突だ。
以前にも紹介したが米国アリゾナ州にバリンジャー隕石孔というのがある。
たかだか直径20〜30mの隕石が衝突した跡なのだが直径1km超、深さ170mにおよぶクレーターを残した(クレーターがへこんでいるのが170mであって地下への衝撃はもっと深い)。周辺100qの生物は死滅したという。
原発や核施設が直撃を受けたらひとたまりもなく、核物質が周辺数百kmにまき散らされることは必定である。
そしてこの隕石は「割と小物」である。
確率として「小物ほど高い」のである。塵ほどの極微小天体は毎日地球に降り注いでいる。燃え尽きて地上には届かない。地上に届くレベルだと小さなニュースになることもある。十数mになり地上に被害を及ぼすと世界的なニュースになる(ロシアのニュースは記憶に新しいだろう)。
さてこのバリンジャー隕石孔は5万年前のものであるとか。海に落ちて気づかれていないものがその何倍もあるだろうし、隕石はバリンジャーだけではない。百年に一度はそんなことが起きているのだろう。ツングースカの大爆発というのもあった。冷戦中に南米沖だったか鋭い光が観測されてすわ核攻撃かと緊張が高まったが隕石だったという騒動があったと聞いたこともある(正確な資料が手元にない)。

そんなものが原発や核施設と衝突する確率はと考えれば相当低いがゼロではない。

安全性が完璧ではないからダメというのは、一見合理的な安全性という言い方を使って要するに大嫌いな原発を否定したいだけだ。屁理屈なのである。
無理難題を吹っかけておいて何となく議論したかのように見せかける欺瞞である。

気に入らないとしても国の基準をきちんと満たしている関西電力に落ち度はない。国の基準とそれを決めた各種法律を憲法の定める「人格権」に基づいて否定するなら相手は関西電力ではなく国会だ。戦術的に攻めやすい関西電力を相手に過剰な(不可能な)義務を課すことはあまりに行き過ぎているという判断に落ち着くと思う。

どうにも反対派の「小賢しさ」が鼻につく。
小賢しいということは本質を見ていないということなのだ。

100%の安全ということについて、推進派の議論も乱暴である。
自動車も飛行機も100%の安全はあり得ない。だが充分に安全だしそれなしには社会が回らない、という。そこまでは正しい。しかし、だから原発にも100%の安全を求めなくていいといきなり結論に至るのは乱暴だ。
万が一のそのまた万が一の事故が起きたとき、その結果が違うではないかということをすっ飛ばしている。

====
冷徹かつ哲学的な議論が必要である。

99.99999....と9がいくつも並ぶような確率で安全だとしても100%ではない。
だからダメだというのは乱暴だ。
原発がなくとも再生可能エネルギーで足りると反対派はいう。
だが、発電施設というのは程度の差こそあれ何らかの形で害があるのである。
有害物質を出したり自然を破壊したりする。
たとえば太陽光発電。
このブログでも以前試算したのであるが、原発に比べ大変な面積を必要とする。対面積の効率として何百倍という差があったと記憶している(調べなおせ)。
すでに開発された建物の上にこまごまと設置するならともかく、自然の土地や海に設置すればそこに降り注ぐべき太陽光を奪うことになる。大変な自然破壊だ。
さらに太陽光発電がピーク時の「足し」のような存在ならまだしも、ベース電源とするならば、発電量が上下するため大量の蓄電装置とそのロスを補う更なる太陽光発電所を必要とする。

風力発電所は壊れ倒れ鳥がぶつかり低周波で健康被害だ。
波力潮力は海流を停滞させてしまう可能性があるし、水力は大規模であれば山野を広く破壊するし小規模であれば電源として意味があるほど設置すれば水はよどみ、土砂が堆積し、その対策にエネルギーを使うことだろう。

害のない電源などないのだ。

そりゃ原発事故が起きて高レベルの放射線に焼かれるのは嫌だし、低レベルな放射線でその場は大丈夫でも将来が心配だという人は気の毒に思う(というのは、中高年以上であれば低レベルの放射線の影響が出る前に寿命が尽きたりほかの病気で死ぬからどうでもいいことなのだ)。
だが、地球温暖化で食料も水もなくみじめに死んでいくのも嫌だし、近所に風力発電所ができて低周波振動で苦しむ晩年も嫌だ。

「事故さえ起きなければ原発が一番たちがいい」という考え方だってできる。それが絶対に正しいというのではないが「とにかく原発反対」とか「何が何でも原発推進」という思い込みをいったん捨てて考え議論すべきではないのか。

====
原発事故が起こる可能性とほかの効果、例えば地球温暖化を遅らせる効果を単純に比較することはできない。
原発のコストが安いか否か、地球温暖化防止に役立つか否か。反対派も推進派も都合のいいデータと解釈で全く議論になっていない。検証できる、つまり他人が同じ論理でトレースして見て破綻がないことが必要であるのにそういう議論がなされてない。
さらに議論はそんなに単純ではないのだ。
コストで言えば1kwを生み出すのにいくら、建設費がどうの燃料代がどうの、廃炉費用は入れたのか、地元対策費は入れたのか、それだけでも複雑だがまだ単純な話だ。
経済はそんなに簡単にはいかない。

携帯電話と同じことなのである。
今や携帯電話(スマホを含め)は広く遍く普及して一大産業となっている。
だが、単純にコストを反映するビジネスモデルであればここまで普及しなかったことだろう。
シェア拡大のために販売店に販売促進費(まぁリベートだね)を払い、販売店はそれを値下げの原資にする。メーカーは原価ぎりぎりで端末を出荷し、その代り大量注文を受けたりキャリアの主力機種に選ばれたりする。キャリアも初期費用無料だの端末無料だのとやり、それは月々の料金で回収する。そうやって消費を刺激してきたのである。

そうしたコストはオーソドックスな消費者、つまり高い値段で端末を買い、端末を買い替えることも少ない。通話も通信もそれほどするわけでもないから回線にも負担をかけず、それでいて相対的に高い料金をはらう消費者も負担してきた。
一見それは不公平なのだが、この仕組みがなければ全員がもっと高い料金で、いまだに一人一台なんてことにはなっていないだろう。端末の新製品も出ない。

つまり、仮に原発のコストが本当に別の電源と比べて高かったとしても、電気料金や税金をつぎ込んで回すうちにトータルでいい経済効果を生むかもしれない。生まないかもしれない。電気使いたい放題の社会構造で生み出されるものがあるのかもしれない。
だいたい、コスト積み上げして値段が決められるなんて安直な商売がこの世にどれだけあるか。単純にコストで語るなと思う。

あまり大きく報じられないことなのだが、震災前の時点で電気料金というのは歪んでいた。大口消費者と我々一般家庭の小口消費者がいて、多くの電力を大口消費者が使うのであるが電力会社の利益は小口消費者から上げていたのである。

悪いことばかりとは言えない。つまり、広く小口消費者が大口消費者にとってそれなりに安くて安定した電源インフラを支えたことで日本に製造業が残ったということが言えるかもしれない。それは回りまわって雇用を維持することになる。

電力は安ければいいというものではない。
一部の製造業には別のことが死活問題なのである。
まずは品質。電圧も周波数もごく安定していることが求められる。需給バランスが崩れると電圧と周波数が狂う。それは工場の機械を誤動作させ安全装置を動かして工場を止めることになりかねない。

次に安定性。何日も何十日も停電せず給電されることが前提、停電するなら何週間も前に言ってくれという業種が多々ある。
大工場で製鉄所クラスになると自前の発電設備を持っているからいいのだが、中堅企業で長時間の停電に耐えられないところもある。
たとえばグラスファイバーの素材(超純粋なガラスの結晶)や半導体の結晶を作るような工場では高温かつ恒温で何日何十日もかけて結晶を育てる。あるいは電力に頼る植物工場、動物の飼育。
あの震災で停電して水族館の魚がほぼ全滅した話を忘れてはいかん。
停電したらすべてがおしゃかだ。

日本の電力は品質安定性に関して世界トップレベルという。だからこそその他の条件、土地や人件費が高いだのということにかかわらず製造業は日本に残ったのである。

そういう事情を無視して、合計で電力量が足りているだの、節電すればいいだのと反対派は言うのだが、それで経済がたがたになってもいいのかと思う。経済ががたがたになっても原発のない未来を望みますなんてきれいごとを言っているのだろうが、具体的にその状況を思い描けているのか大変に疑問だ。
貧すれば鈍す。現在日本の企業が持っている高い倫理性も失われ何が起こることやら。公害問題や労働者の権利が現行を維持できるとは思えない。

繰り返すが私は安直に原発OKとか絶対ダメだとか言いたいわけではない。
議論が足りないことを言いたい。

====
ちょっと見方を変えるというか元の話題に戻るというか。

もう一回ちょっと別の見方で100%安全の話をしたい。
100%の安全がないから原発はダメと言う論理。
それを認めるなら止まった原発は100%安全なのか。停止した原発には使用済み核燃料が脇に蓄積されており、未使用の核燃料もあろうし、使用中のものもある。
原発が臨界に達しているより達していないほうが安全というのだろうか。
止めていても外部から電力を供給し冷却しているわけで、何らかの意味で「動いている」機械だということは変わらない。

また、確率は低いとはいえ先に挙げたテロだの隕石衝突だのという危険性に対しては違いはない。動いている原発のほうがテロリストは躊躇するかもしれぬ。逃げられないからね。

だから止める止めないは安全の上では大した違いはないということが一つ。

もう一つは止めても残る高レベル核物質はどうするのかという話だ。
繰り返すが、単純においておけばいいわけじゃない。箱に入れてしまっておけばいいというものではない。小分けにして(まとめると臨界に達することも)、冷却してということせねばならない。事故が起こる。
人為的事故、機械の故障と、隕石だテロだを一緒にしてはいかんのだろうが、100%の安全を求めるなら地上においていてはいかん。
どんなに警備を厳重にしても人間が行けるところにはテロリストも行けるだろう。大きな隕石に抗しうる人口建造物はない。
小惑星ともなれば衝突の衝撃で「西太平洋に落ちれば地殻ごと日本列島がめくれ上がる」ほどであるという。まぁそれは人類絶滅なんでどうでもいいが、地下数キロメートルまでえぐり、日本の半分は破壊されるが日本すべてが破壊されるわけでもないというサイズのものもあろう。
はてさてこれに対して日本は何ができるだろう。

原発に100%の安全性を求めるならこうした核施設にも同じ態度で臨めよと思う。
究極的な対策は二つ。一つは隔絶した別の天体に運ぶこと、もう一つは(日本ならば)太平洋プレートに埋め込むことである。
別の天体に運べば何があろうと地球に害が及ぶことはそうはあり得まい。まぁ星新一的などんでん返しがあるのだろうけど。
太平洋プレートに埋めるというのは、何千万年の先にはマントルに取り込まれスラブとして外核まで落ち込んでいくのである。それが再度プルームとして地表近くまで上がってくるにしても何億年も先の話だ。そのころには核物質もすっかり変化している。

まぁここまで厳密なことはできないにしても、安直な地上施設に置くよりも堅牢な地下深い場所に「最終的に」置くことが安全であるのは論を待たない。

反原発派は原発を止めることには熱心だが、使用済み核燃料をはじめとする高レベル核廃棄物の最終処分については無視している。あたかも原発を廃止すればそれらが消えてなくなるような感じである。
そんなわけはないのだし、繰り返すが危険性については動いている原発も止まっている原発も傍らに貯蔵されている未使用・使用済み核燃料も危険性に大した違いはない。
彼らが原発を止めさえすればいいというのは手段が目的化しているというか、反原発で成果が出れば意義を問わずなんでもいいという状態に陥っているのが一つ。もう一つは使用済み核燃料の最終処分をするとなれば処分地を選定せねばならず、処分地の選定は彼らが反対するところなのである。じゃぁどうすればいいというのだろうか。
核物質は現にそこにあるのである。
矛盾しているし戦術があざといと思う。

まだ、危険性を割り切って原発を推進しようという賛成派のほうがすっきりしている。

繰り返すが私は賛成とも反対とも言い切れないし、あざとい戦術、都合のいいことしか言わない双方の態度が腹立たしいとも思う。
ことに反対派の主張が鼻につく。
理想は「原発のない社会」ではない。それは手段であって目的ではない。手段として正しいとも言わない。
幸せとはいわない、せめて苦痛がなく自然破壊も最小であることが理想だ。未来には予想しつくせない不確定要素があり、あらゆる選択は賭けであり完全な正解はない。
何にかけるべきかを選択するきちんとした議論がほしい。
posted by Mozzo at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

首相官邸ドローン事件 実効性のある対策を

あの首相官邸にドローンが侵入した事件についてである。引用するのは関連記事。

引用ここから====
ドローン購入者の登録も議論…重要施設は禁止へ
2015年04月23日 22時35分

 首相官邸の屋上で小型無人ヘリコプターが見つかった事件を受け、政府は24日、小型無人機の飛行規制のあり方を検討する関係省庁連絡会議の初会合を開き、規制案の策定を急ぐ方針だ。

 小型無人機は、原則として高さ250メートル未満の空間を自由に飛ばすことができる。今後、官公庁や原子力発電所などの上空で同様の事態が生じる可能性も指摘されており、連絡会議では、重要施設の上空を飛行禁止にする方向で検討する。小型無人機の購入者や所有者の登録制度を設けるかどうかも議論する見通しだ。

 ただ、小型無人機には農薬散布用のヘリコプターなども含まれ、「規制対象の線引きが難しい」(政府関係者)との声も出ている。
2015年04月23日 22時35分 Copyright コピーライトマーク The Yomiuri Shimbun
引用ここまで====

ドローンの表面は粘性の液体に覆われていたそうである。どろーんとしていたそうな。嘘である。

冗談はさておき、近所で趣味で遊んでいたら迷走して首相官邸に入り込んでしまいましたなんて軽い話ではなさそうである。
放射性物質に発煙筒まで付属していたという。殺傷能力があったとは言わないが明らかな脅しである。思想的に安倍政権に反感を持ったうえでの犯行だろうが、単なる思想バカでもなくこういうものも調達して使う知恵はあるらしい。たいていの思想バカは刃物持って突っ込んできたりピストルを調達するくらいがせいぜいだが、ドローンを遠隔あるいはGPSを使った自動操縦っで侵入させるとは冷静である。市販のドローンを使ったらしいが、元は白いものを黒く塗って目立たない工夫もしてあったという。
ただ無人機だからといって特別な技術が必要なわけでもない。普通に売っていて練習すれば子供でも飛ばせる。こういうものが普通になったのだから驚きである。

しかしこのご時世に首相官邸の警備がこんなにしょぼいとは知らなかった。
犯人もまんまと首相官邸に侵入させたところまではほくそえんでいただろうが、何の反応もなかったから逆に驚いただろう。屋上でドローンを発見したのは全くの偶然であるという。
たまたま新入職員を連れて施設を案内しているときにみつけたらしい。屋上に職員が入ったのは一か月ぶりとも。見回りもせんのか。普通のビルでもガードマンが毎日何回も巡回すんぞ。

明らかに安倍総理はテロリストに狙われてもおかしくない立場だ。
有力国の首相というだけで狙われる。
さらに先の騒動でテロリスト集団ISILにも名指しで批判されたし政治的に対立する中韓からもテロリストが来るかもしれない。

警備体制は厳重でなければならない。怪しい飛行隊が敷地に入った時点で何らかの方法で叩き落されていなければおかしいし、公表しないだけでそういう装備はきっとあるのだろうなと漠然と思っていた。実態はこの始末。
地上はいかつい警官がにらみを利かせているから警備は万全と思っていたがこの体たらく。

で、今からでも遅くない。改善をということなのだが引用記事を見ていただきたい。
どうにも的外れかつ実効性のないのんびりとした話に感じる。

登録制度をとるからテロリストの活動を封じることができるとでも? 飛行禁止空域を設けたらテロリストがそれを守るとでも?
阿呆である。

ドローンと呼ばれる無人機は種々あるが、最近発達したのは主に制御するコンピューター技術の発達とGPSやセンサの発達、小型の動画カメラの発達、近距離の無線通信(WiFiなど)の発達に支えられている部分が大きい。ハードウェアとして軽い機体強力なモーターなどはずいぶん前に確立していたと思う。
つまり、ソフトウェアとちょっとした技術さえあればセンサやカメラ、モーターなど買い集め自作することもできるということだ。
ドローンを構成する部品はほとんどが簡単に手に入る。モーター、センサー、電池、CPUなどなど。
市販のドローンの部品で一番ハードルが高いのは流麗な曲線のボディである。
あの手の部品はたいていプラスティック製である。塊から削り出すこともできようがたいていは金型をつかって溶けたプラスティックを注入・固化してつくる。
同じ理屈で回転翼もハードルが高いがこれはラジコン飛行機などを自作するために市販されているものが流用できる。
ほんの数台のために金型を用意するのは費用の面でも技術・設備の面でもハードルが高い。
まぁ見てくれはどうでもいいのだからボディもむき出しでも構うまい。

登録制にしたところでテロリストが自作したら意味がないのである。
そこまでせんでも普通の人のふりして登録してテロに使えばいいのである。自動車だって登録されているけど事故にも犯罪にも関わってくるだろうに。
法律で決めた飛行禁止区域などテロリストが守らないのは自明の理。法律を守らないからテロリストなのだ。

====
ではどうするかが問われるのだろう。
法律とか手続きとかそういうことじゃなくて、悪意をもって逮捕されるのも構わずに攻めてきたら何ができるのかである。
繰り返すがなにか私の知らない想像もできないような方法で防御できるとなんとなく思っていたがそんな方法をわが政府は持ち合わせていないらしいことを露呈した。

空を飛んでいるものから防御するとしたら考え付くのは撃ち落とすことである。
ドローンに関しては技術的には可能である。実用品が出ている。
撃ち落とすと言えばミサイルとかなんらかの砲(機関砲とか高射砲とか)ということになるわけである。
遠くにいる目標(ドローン)に対してはミサイルである。ミサイルとは発射してから軌道修正(誘導)できるものを指す。遠くのものをいくら正確にねらって撃っても相手も動くわけでそれに合わせて誘導することができねば当たらない。
近くにいる目標は誘導している暇はないので砲を何発も撃つほうが確実である。
ことに近くまで迫った目標に対しては機関砲を使う。

イージス艦てのがありますな。自衛隊も持っている。
本来空母を守るためのものであるが、転じて当初や海岸地域を航空機やミサイルの攻撃から用いることもできる。
とはいえ、自分自身も守らねばならない。敵にしてみたら空母をたたく前にこのうるさい用心棒をたたいてしまえと思うだろう。
で、対艦ミサイルが飛んでくる。遠いうちはミサイルで応戦する。近づいてきたらチャフというレーダー電波を攪乱するひらひらした小片を大量に打ち上げてそらそうともする。それでもダメだとなると登場するのが機関砲である(積んでいるのはイージス艦だけではない)。
CIWS(近接防御火器システム)というもので詳しくはWikipediaさんで調べていただきたい。
CIWSの一種ファランクスの項をみると20mm弾を毎分3000発〜4500発。レーダーがついていて目標の追尾や撃った弾道から照準を補正することもできるとか。
これを首相官邸の周囲に配置したらよろしい。
20mmといえば兵器としては平凡・非力ともいう。CIWSもミサイルを撃ち落とすためのもので戦闘機などは20mmで撃墜するには何発も撃ち込まねばならないそうだ。ミサイルに対しても非力を言われ始めているそうな。
とはいえ、対物ライフルの12.5mmで1km先の人間を撃つと体が真っ二つになるほどの威力があるという。
20mmならドローンなんぞひとたまりもあるまい。

。。。。って都心でそんなものをぶっ放したらどうなるか。人が死ぬわ!
有効射程は1.5kmだそうである。仰角をつけて発射したら数キロ先へも飛んでいくだろう。速度が落ちてミサイルを撃ち落とすとかそんな威力はなかろうが、20mm弾が落ちてきて頭に当たれば人間は確実に死ぬ。
ピストルの弾だって容易には撃てまい。
あの人口密集地では撃ち落とす案は無理だろう。日本の治安状態がいよいよ危うくなって何が起こるかわからんとなったら、周囲を立ち退かせるか流れ弾に当たっても文句は言わせんという対応も必要になろうがそんな状況ではない。ホワイトハウスくらいの規模があればちがうのだが。

そうなるとからめとるような方法だろうか。投網みたいなものを発射してからめとるようなものとか、強力接着剤のような粘着物の塊をぶつけるとか(これも流れ弾は別の意味で迷惑だが)。

官邸を蚊帳のようにすっぽりつつむ強力な金網みたいなものを設置してもいいかもしれないが、金網の上に着陸(陸か?)して毒ガスを撒かれるかもしれない。それに国家の権威というものもある。首相があんなところに閉じこもって、という嘲笑はまぬかれまい。

なんの技術も知識もない私がなにか具体的なものを提案できるわけではないが、だれか能力のある人が考えて実効性のある対抗手段を日本の要所に配置してほしい。
首相官邸だけではなく、皇居、国会、原発、主要空港、主要駅。
先のCIWSの例でも、砂漠の中の基地のように周囲ががらんとしていれば有効である。見通しのきく砂漠ならそもそもテロリストが近づくのも困難だ。
日本で広大な砂漠ということはあり得ないが周囲の環境を変えるというのも有効だ。なにも武器や妙な道具に頼るだけが防御ではない。
お堀に囲まれた皇居もかつては有効な防御力を持っていたと言えよう。周囲の土地から距離があるからドローンとて迎え撃つ余裕があるわけではあるが万能ではない。

なんとかならんか。

====
とこの文章を寝かしておいたら容疑者が出頭したらしい。
福井県在住の40歳男性が福井県警に出頭したらしい。
原発反対を訴えたかったらしい。

原発については私は賛成派、反対派双方に文句があるのであるが、反原発でこの方法はいただけない。
ドローンに装着されていた物質から微量の放射性物質が検出されたのは、福島の海砂と海水を詰めたものだったらしい。これで政府が原発に対する姿勢を改めると思うのだろうか。無自覚だった一般人が「うん、原発はいかん」と思い直すとでもいうのだろうか。
行為と結果がつながらないことを自覚できない阿呆である。
さらにいえば、原発反対派というのはこんなものかと中間派に愛想をつかされる要因にすらなるだろう。
人それぞれ考え方があって、反原発もそのことの是非はともかく考えを持つのは結構である。まっとうな方法でアピールするのも結構である。しかし、精神的になにか狭いところにはまり込んでしまったのか、過激な方法でアピールできればもうそれで満足になっているところが愚かだ。出頭したのも目的を達成した(と思ってしまっている)からか、反原発を訴える場にしたいのか。
どう見ても手段が目的化しているし、そもそもその手段が本来の目的に向いていない。

もし、この男のことを評価するとしたら、実は緩み切っていた首相官邸の警備体勢の不備をついて世に見せつけたことなのだろう。
警官が発砲することにすらかなりハードルの高い日本で(それが一概にいいとも悪いとも言えないが)はてさて実効的な対策が取れるのかはわからぬが、対策を求められているのは事実だ。
posted by Mozzo at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月18日

韓国アシアナ航空事故に見る安全意識〜続

あの韓国アシアナ航空の事故で原因らしきものに言及した記事を見つけた。
長いので末尾に引用する。

原因は「ダックアンダー」ではないか、という。
ダックアンダーとはあんだ? いや、なんだ?(すべった)

記事によれば、滑走路が見づらいから窓側に身を乗り出す。すると操縦桿が動いてしまい高度が下がる、という。
わからんではない。若干状況は違うが、自動車運転中にも豪雨や霧で視界が悪いとき窓に顔を近づけて運転するものだ。ハンドルを抱えるようになり、心もとないといえばその通り。
しかし着陸10分前から横揺れが激しかったという証言(これが絶対に事実というわけでもないが)とは矛盾する。すっきりしない。

前回書いた話で計器飛行をすればいいと思ったのだが記事によれば事情があるようだ。
着陸するときに使うのはグライドパスという。電波で着陸する空間上の道を作るのである。この道に沿って操縦すれば安全に着陸できるというものだ。
記事ではグライドパスが使えない進入経路があり、それを使うのも別に特別でないとしている。知らなかった。
しかし、当日はそれほど風が強かったわけではない。飛行機というものは風に向かって離着陸すると都合がいいとされている。横風では流されてしまうので対抗するために機体を斜めにせねばならない。追い風では対気速度を保つ(揚力を得る)ために対地速度が相対的に上がってしまうため離着陸が困難になる。とはいえ、空港の滑走路は360度どちらからも使えるものではなく、進入経路は4パターンくらいに限られる。多少の横風には耐えられるようにできている。というか、全パターンにグライドパスを用意しろよと思う、。

そのため風向きによって進入経路を決めるわけだが、風が強くなければ視界が悪いのにわざわざグライドパスが使えない経路を選ぶ必然性はない。

航空機側か管制側かはわからぬが判断ミスということは考えられる。

いや、違うのではないか。
高度を下げすぎて着陸直前に無線アンテナに接触している。このアンテナは計器着陸装置(ILS)というものでグライドパスをつくる装置そのものである。グライドパスの真ん中にいたのではないか。
最初はグライドパスの外側から回り込んだのかもしれないが、最終的に少なくとも滑走路と正対する位置では計器は使えたはずだ。高度がおかしいことくらいはわかるのではないか。
どう考えても矛盾だ。
視界は悪いし進入経路もミスったし、まぁいいかで突っ込んでいったのか?
それとも電波を受信する機材が故障のまま飛んでいたのか(意外とこの辺があたりかも)。

====
しかしもっとわからぬのがこのダックアンダーである。
仮に計器が故障していても困難な状況で飛行機を操る訓練がされているはずである。
ダックアンダーなんて皮肉な名前がついているということは、パイロットにとっては常識の概念なんだろう。当然そうなるような状況はわかっているし、その時にどうすべきかの知識もあるはずだ。ルールだってあるかもしれない。たとえばパイロットが操縦桿を握ってコパイロットが外を見るとか。
パイロットの訓練は体系的かつ厳しいものであって、この程度のことで機体のバランスを崩すというのは信じがたい。
本当にダックアンダーならば、よっぽど技量が低いか手抜きをしたのかであろう。

大手のメディアでは報道されていないが、かねてより韓国のパイロット養成のレベルが低いという問題があるそうだ。技量も低いし「まあいいか」で合格させてしまうとか成績をごまかすとか。
記事にあるとおり、パイロットへの事情聴取ができていない模様だ。一部報道ではパイロットの所在がつかめなくなっている(韓国に逃げた?)ともいう。

日本の感覚だとパイロットというのは厳しい訓練を経ており、責任感あふれる人格高潔な人というイメージがある。問題を起こしたことがなかったわけではないが、その重圧に押しつぶされてしまったがゆえというイメージだ。堅い。

しかし、世界を見るとそうでもないらしくそれなりに普通の職業のようでもある。怠惰な人、ずるい人も普通にいる。
以前このブログでも取り上げたが中国東方航空のパイロットが管制官が「飛ぶな」と言っているのに無視して離陸してしまった事件があった。待つのが面倒で「いける」と思ったのだろうねぇ。
パイロットも人の子、待たされるのが嫌だとか、燃費を食わされるのが嫌だとかいろいろ駆け引きはあるらしい。空港が混んでいると上空で待たされることもあるのだが、「もう燃料がぎりぎりだ」とうそをついて先に降ろしてもらったりなんてのは普通の駆け引きだとか。

乗客の立場では命を預けているのであるから、安全については最高の技術と見識を期待したいのであるが必ずしもそうでもないようである。

安いだけで航空会社を選びがちだが考えさせられる。当然、航空会社によっては(その会社にとっての)外国人パイロットを雇うこともあるわけで航空会社を選んだだけで安心できるかどうかはなんとも。

なんなら指名制があればいいのに(だめか)。


TBSニュースの記事をNiftyが配信したものから引用。
引用ここから====
 14日夜、広島空港で着陸に失敗した韓国のアシアナ航空機事故。27人が負傷した事故は、なぜ起きたのでしょうか。
 14日、アシアナ航空機が着陸を失敗した広島空港。一夜明け、現場の状況が明らかになってきました。アシアナ機と接触した着陸この誘導装置は大きく損傷。装置の一部分が機体に刺さっているのも確認できます。滑走路手前の地面には航空機が接触したような跡が残っています。

 滑走路から外れて止まったアシアナ機は、左右の主翼など機体の損傷が大きく、国土交通省は「航空事故」と認定しました。

 「あちこちガンガンなった」
 「中には妊婦、子どもとか血を流している方も。死は覚悟した」(乗客)

 ソウル・仁川(インチョン)発のアシアナ航空162便=エアバスA320型機は14日午後8時5分、広島空港での着陸に失敗。乗客・乗員27人がけがをしました。国土交通省によりますと、アシアナ機が接触した滑走路手前の着陸誘導装置は高さ6.4メートル。機体は325メートル先の滑走路には届かず、その手前の地面と接触した後、機体後部を引きずる形で滑走路の左に大きくそれ、本来と逆向きとなって停止しました。

 アシアナ機は、通常の着陸ルートと比べると、はるかに低い高度で滑走路に進入しようとしていたことがわかります。いったいなぜ、異常な進入経路を取ったのでしょうか。

Q.パイロットの方から聞き取りは?
 「まだ接触できていません」(広島空港事務所)

 広島県警は15日、業務上過失傷害容疑で現場検証を実施。国の運輸安全委員会の調査官5人も広島入りし、調査を始めました。また、韓国の航空当局担当者も来日するなど、原因究明に向けた動きが本格化しています。

 高さ6メートルほどしかないアンテナに接触した今回の事故。日本航空の元機長で航空評論家の小林宏之さんは、高度30〜50メートルを確保すべきだったといいます。

 「はっきり申し上げて異常に低い高度」(元日本航空機長・航空評論家 小林宏之氏)

 アシアナ機は東側から進入。この方角からだと、電波を出して航空機を精密に誘導する着陸誘導装置は使えないということですが、特別なことではなく、通常の運用だということです。しかし・・・

 「(事故)前後の気象状況を見ますと、低い所に雲がところどころあったものですから、場合によっては、パイロットが東から進入したときに滑走路が非常に見にくかった可能性があるかと」(元日本航空機長・航空評論家 小林宏之氏)

 そして、視界が悪い場合にパイロットがとってしまいがちな行動があるといいます。

 「『ダックアンダー』といって、アヒルが頭を下げるのとよく似ていて、昔からそういう言葉を使う」(元日本航空機長・航空評論家 小林宏之氏)

 「ダックアンダー」、アヒルが頭を下げるように機首が下がってしまう現象で、パイロットが滑走路をのぞき込むことで引き起こされるといいます。

 「滑走路がちらっと見えると、もう少し滑走路を見ようと思って乗り出してしまう。そうすると、操縦かんを下げてしまって、操縦かんを下げると高度が下がってしまいます」(元日本航空機長・航空評論家 小林宏之氏)

 小林さんはさらに、「パイロット2人ともが外を見てしまい、計器の表示を見落とした可能性がある」と考えています。

 原因の究明が進められる一方、事故の影響で広島空港は閉鎖されたままです。再開のメドは立っておらず、影響は長引く可能性があります。(15日17:54)
引用ここまで====
posted by Mozzo at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。