2015年04月01日

ドイツの航空機事故に思う

ジャーマンウイングス9525便墜落事故のことである。
事故の詳細はまだまだ検証中で原因など言い切れるものではないのだが、副操縦士が精神的に異常をきたし、自殺を図って墜落させたとみられている。

それが真実であるなら巻き添えを食らう形になった他の乗客乗務員はたまったものではない。副操縦士本人の自殺が避けられなかったとしても、巻き添えというのはなんとかならなかったのか。自殺願望がある人は一人で死ぬのがさみしいのか不安なのか、どういう心理かわからぬのだが道連れを求める傾向にあるという。私は今のところ自分だけは生き残ろうと思う気持ちなので理解できない。もし自殺に追い込まれるならせめて最後の時は一人で安らかに過ごしたいと思うのだが。

それにしても悲惨な事件は後を絶たない。毎月、毎週のように世界のどこかで悲惨な事件が起きている。
それでも悲惨な事件を明日への教訓にするのが生き残っている我々の責務である。

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さてこの事件で思い起こすのがマレーシア航空の事件である。
これまた原因ははっきりしないのであるが、操縦士が何らかの意図をもって起こした事故だといわれている。

乗客の命を預かっている操縦士が死に急ぐのではたまったものではない。

今回の事故の背景にはコックピットが堅牢にロックできるようになったことがあるそうな。
テロ事件ハイジャック事件を防ぐための措置なのだが裏目に出て正操縦士が締め出され副操縦士が凶行に至ったということらしい。非常用の斧で扉を破ろうとしたらしいが非常用ということは取り出すのに時間がかかるわけで(その辺に斧が転がっていたら別の問題がある)、斧で金属を多用した扉を破るのは時間がかかるだろう。

こうなると飛行機事故を防ぐには完全自動操縦しかないなとおもうのであるが、熟練操縦士でしかなしえない厳しい状況での離発着など機械が超えることのできないレベルのことがあるわけで、完全自動操縦でトータルで安全になるのはどれだけさきのことやら。

外からテロリストが攻めてくることについてはまだ対策がある。内なる操縦士が実は加害者であったという状況には実効的な対策はあろうか。

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今回の事故を受けて日本を含め各国では「コックピットに複数の乗務員が常にいるようにする」という対策をとるという。
通常コックピットには正副の操縦士がいる。しかし長時間のフライトでトイレにも行くだろうし休憩もとるだろう。その際操縦士一人ではいかんと。その間はCAのだれかとか乗務員が代わりにコックピットに詰めるというわけだ。
まさに泥縄というかなんというか。ごまかしの対策ではなかろうか。

仮に機長(正操縦士)が異常な状態になっていたとする。まだまだ操縦士は男性の職場、CAは女性の職場という傾向が強い。ましてや旅客機の操縦士となれば肉体的にも優れ鍛錬を重ねた人物である。無論CAも日頃はにこやかなサービスをするのが中心とはいえ、いざ事故となれば乗客を救うための訓練を重ねているので身体能力は高いと思われるが、平均値として切れてしまった機長をCAが止めることなどできまい。
たしか操縦士は空港でのチェックもかなり簡素化されているはずである。ひそかに武器を持ち込むこともできるのではないか。そうでなくとも運行上非常時に使うための工具があるはずで武器になりうる。素手であっても計画ずくの人間と不意を突かれた人間のどちらが強いか。

そこまでいかずとも、機長というのはまさに飛行機を統べるトップであって、運行中はかなりの権限を持っている(逮捕・拘束もできるし、結婚を認めることもできる。小さな国の王様なのである)。また、乗務員としても機内では文字通りトップであり、CAに(コックピットで一人にならないというルールを冒して)「コーヒーを持ってきてくれ」と言えば断れるものではなかろう。

かつてのボーイング747の時代(初期のもの)にはコックピットには3人いた。正副操縦士に機関士がいたのである。エンジンやらなんやらが自動コントロールできないので専門の人が必要なのである。
ところが時代は進み自動化が可能になったのでコックピットは2人の時代になった。今や米国エアフォースワンでもコックピットは2人である(もちろん空軍の怖い人がいっぱい乗っているがコックピットは2人である)。
コックピットの2人化は当初現場の反発を招いた。技術的にできてもいざというときの余裕がないではないかと。しかし、コスト削減を狙った航空会社に押し切られた格好で現在では常識となった。
コックピットに機関士がいればどうなっただろうか。

まぁ、操縦士が一人外すときはCAがコックピットにいればいいじゃん、コストかからなくていいし。と言っているレベルでは機関士は永遠に復活しないだろうけど。
本当にコックピットに操縦士2人でいいのだろうか。

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この事故をいわば話の枕にして展開するのは無礼なことなのかもしれないがもう一つの懸念が持ち上がる。

原発の安全である。
どう見ても大型航空機が原発を直撃したら耐えられないだろう。原発建屋も圧力容器もあの脆弱さだ。
で、テロリストが航空会社に入り込み原発を狙ったらどうするのかという話をこのブログに書いたのだが、テロリストが入り込まなくとも操縦士が心身を損なうだけで事故が起こることがわかる。テロリストの動向は調べられても、操縦士の心身の状況は調べられないのではないか。
今回は山にぶつかっていったが原発にぶつかっていかない保証はない。

さらにいえば、テロリストなら飛行機の挙動がおかしいとか、受け答えがおかしいとか異常に気付く可能性もあるが、本職の操縦士が異常になったら事故直前まで気づくことはあるまい。

だから原発反対だというのではない。
原発をやめるという選択肢もある。だが原発を守るために地対空ミサイル(SAM)を完備するという選択肢もある。
正常に飛んでいたと思っていた航空機が原発を狙っていたなんてわかってから空軍が出動しても遅いというものだろう。

原発があらゆるテロに耐えるためにはSAMだけでは足りないだろう。
地上にはそれなりの武装をしたチームを常駐させねばいかんだろうし、周囲に目を配る各種レーダーも必要だ。深い海に面しているならソナーも必要だろう。

想定できる武装とともに必要なのは現場で決断できる武力行使の権限である。
地対空ミサイルがあっても発射に躊躇するようでは意味がない。秒単位で危機が増すのである。お伺いをたてている場合ではない。

操縦士の精神状態が損なわれたら物理的に原発を攻撃できることがわかった。
日本はどのような対策をとるのか、明確にしてもらいたいと思うのである。
もちろん想定ができないような自体が原発周辺に起こるかもしれない。
「こんなことは起こらない」などとごまかしを言っても総合的に危険を封じたことにはならない。まずはSAMサイトを作ってもらいたいものだ。
posted by Mozzo at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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