2014年04月01日

この人が好きだ:misono 2

前回misonoさんのことを書いた。
http://mozzo-expresso.seesaa.net/article/390815301.html
今回もうちょっと踏み込んで書いてみようかなと思うのである。音楽に詳しくない人間の音楽評論である。薄目でぼんやり読んでやってほしい。

昔から彼女の曲を聴いていたわけではない。歌手だと知ってからもなるほどと思っていただけで実際に歌声を聴いてから買った。あの笑っていいとものゲームで大黒摩季さんのチョットを姿を隠して歌い、それを当てるというのがあった。その録画を見る機会があってこれはいいではないかと思った。のびやかな声に表現力。これは素晴らしいとかのAmazonさんで大人買い。検索にあたるCDとDVDは全部買った。

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かなりの枚数のCDとDVDが届いたが、素晴らしい歌が次から次へと。

まず声色といえばいいのだろうか。力強い声怒鳴るような声囁くような声悲しく嘆くような声。そしてのびやかに伸びる高音。変幻自在だ。
表現力も素晴らしい。心から楽しいルンルンだったり、失恋で胸が張り裂けんばかりだったり。これまた変幻自在。
大いに気に入ってパワープレイなのである。

ところが、彼女の言によればCDが売れないという。
ずいぶん前のことではあるが、かのロンドンハーツに出演した際にその旨発言している。
曰く、
「CDの赤字をバラエティ(出演)で返していこうと」
「(CDが売れないから)ウチ事務所変わった方がいいかなと(社長に相談した)」
「男のファンもおらんのに女からも嫌われたら誰に向かって歌を作っていけば。。。」

もっと売れない歌手はたくさんいるわけで、
かつてレコード大賞新人賞を取った歌手にしてはとか、
大手のレーベルAvexの歌手にしてはとか、
タレントとして知名度が高い割にはとか、
こうした前提がくっついたうえでの「CD売れない」ってことだとは思う。
まぁ確かに彼女の歌がラジオで毎日のようにかかっているという状況ではないのは確かだ。

いろいろな要因があるのだとは思う。
彼女は好感度の高いタレントではあるが、キャラクターの中に「CDを買う」という方向とは違う要素があるのかもしれない。Avexの売り出し方が悪いのかもしれない。

だが、歌そのものにも要因があるかもしれない(あらかじめ言っておくと問題点ではない)。

簡単に言うとキャッチーではないのである。

まず歌詞がほかの人のヒット曲とは違う。彼女は作詞をするそうな。
よく言えば立体的、悪く言えば理屈っぽいのである。
普通のポップスは端的な言葉をつなげてある歌詞が多い。想定する恋愛相手の言動(やさしい言葉とか振り向いてくれないとかプラスマイナスいろいろあり)について、「あなたのAが好きだうれしい、あなたのBは嫌だ悲しい(こんな工夫のない歌詞じゃありませんが)」とストレートにつづっていくだけに思える。ところが彼女の歌詞には論理構造がある。「あなたのAを求めるとBを受け入れなければならない。それはできないことだが、Bを拒否すればあなた自体を失う。それは。。。」というような論理が説明されているのである。一つの感情を表現する言葉を論理構造でより納得できる形で説明しつくすのである。
複数の言葉が絡み合っているから遠く離れた小節にある言葉と言葉が関係を持っていて構造的に理解しないと意味が通らないことがある。
つまり聞き流すことを許さないのである。
これを悪いこととは言わない。よく聞いて考えないと伝わらない感情というものがある。たとえば失恋に対して悲しみなのか諦念なのかそれがどのくらいの割合なのかということを感情で伝えるにはそれなりに言葉を尽くさねばならないのではなかろうか。

また、メロディーもキャッチーとはいえまい。
皮肉な言い方をすれば歌がうますぎるのである。
音域の広い歌も音程が難しくめまぐるしい高低をたどる旋律もさらっと歌ってしまう。聴いているだけではわからぬが、一度聴いてカラオケで歌えるようになるとか、思わず口ずさんでしまうというものではない。

それが証拠に、彼女の出したCDにはカバーアルバムがある。こちらは知られた曲で分かりやすい詩に歌いやすいメロディ。聴きやすくながら聞きができると言えよう。

彼女の楽曲の対極にあるのはきゃりーぱみゅぱみゅさんの楽曲であろう。
歌詞は耳にすっと入ってくる。音重視で意味のない部分も多い。メロディも一度頭に入ったらぐるぐる回って一日抜けない。
きゃりーぱみゅぱみゅさんの楽曲は歌といってもスキャットに近い。スキャットマンジョンが亡くなったのが残念。それはさておき、キャッチーなメロディとリズム、耳に心地いい単語の連続という総合芸術である。もちろんこれがいかんというのではない。すぐに口ずさんでしまって一日抜けない魅力を持った芸術である。

だが世の中キャッチーな曲ばかりでいいわけではない。
お菓子に例えればきゃりーぱみゅぱみゅさんの楽曲はふわふわのスポンジケーキ、甘いホイップクリームも乗っている。
それに対してmisonoさんの楽曲はオーガニックの全粒粉と雑穀が入った固いクッキー。かみしめないとわからないけれどかみしめたらわかる。
どちらも美味しくて必要なのである。

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ここで、あまりひねりのない私のベスト3を挙げてみたい。歌詞はネタバレしないように。

第一位は0時前のツンデレラでしょう。やっぱり。
恋の挫折を重層的に描写した歌詞、泣きながら歌っているのではないかとまで思う表現力。
私は不覚にもこの曲を携帯音楽プレイヤーに入れて外で聴いた。涙をごまかすのに難儀した。
この歌で泣かない人は素敵な恋愛とつらい失恋経験していない、ある意味つまらない人だとまで断言する。ま、初恋でハッピーエンドの人なら実感できなくても幸福だろうけど。

第二位はマイアリーノ!でしょうな。
明るくほのぼのした歌かと思いきや、そう持っていくかと。
泣かせるんじゃない。
いつの間にか悲しい展開になっているうえにもう一枚メタファーが入っていて何度聴いても泣かされる。

第三位は恋つりGirl愛ガァル〜フィッシングBoy〜ですかな。
これは先の二つとは別で前向き恋愛ガールなんだが、おもちゃ箱をひっくり返したように言葉を詰め込んだ歌詞がいい。早口言葉か。私がこれを歌ったら舌を噛んで大出血。
いろんなタイプの女の子、男の子を表現する言葉をこれでもかと詰め込んで浮かび上がる恋するガールの姿。
また、彼女の歌には恋愛を何かに例えているものがいくつかある。釣りに例えるなんてのが意外にも緻密で楽しい。

それからこれは特別賞。
Koda Kumi×misonoのIt's All Love。
これはぜひPVを見ていただきたい。
楽曲もいいのだがPVがよい。Michel Jackson&Janet JacksonのScreamを連想するような演出になっている。オマージュだろうか。
似ていると言っても兄妹(姉妹)の歌手がSF的な空間を舞台に歌とダンスというところが共通しているだけなんだが。これは見比べてみることをお勧めする。
posted by Mozzo at 23:40| Comment(0) | この人が好きだ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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