2014年10月29日

宇宙開発の話

あいたたた。。。。という報道。

引用ここから====
無人補給船搭載ロケット、打ち上げ直後に爆発
2014年10月29日 07時53分

 【ワシントン=中島達雄】国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する米国の民間無人補給船「シグナス」を積んだロケット「アンタレス」が28日、米バージニア州ワロップス島の米航空宇宙局(NASA)の施設から打ち上げられたが、直後に爆発し、地上に落下して炎上、打ち上げは失敗した。

 死傷者は出ていない。

 シグナスは、2011年に引退したスペースシャトルに代わる補給船の一つで、ロケットのアンタレスとともに米民間宇宙企業オービタル・サイエンシズ社が開発と製造を担当している。NASAとオービタル社は、打ち上げ失敗の原因調査を始めた。

 シグナスの打ち上げは4回目。昨年9月と今年1月、7月の打ち上げは、いずれも成功していた。オービタル社は2016年まで8回分のISSへの物資輸送をNASAから19億ドル(約2000億円)で請け負っており、今回はその3回目だった。

 シグナスは直径約3メートル、長さ約5メートルの円筒形で、今回は宇宙実験の材料や飛行士の食料など約2・3トンを積んでいた。
2014年10月29日 07時53分 Copyright コピーライトマーク The Yomiuri Shimbun
引用ここまで====

なにはともあれ人的被害がなかったことは不幸中の幸いと思う。

8回で2000億円。固定的な費用とかオービタル社の利益とかあるから単純計算はできないが、この打ち上げだけで200億円くらいの委託費用が掛かっていることになろう。
そこにNASA自身が使う費用が上乗せになる。無論失敗によりオービタル社が払い戻すようなペナルティもあろうが、多額の米国の国費が爆発して塵となったわけだ。痛い。

さらに「飛行士の食料」というのが痛い、痛い。私が飛行士なら「私のゴハン〜〜〜!」と叫ぶね。NASAのやってることだから、余裕やバックアップ策はあるのだろうけど、届くはずの食料がと思うと精神的に厳しいと思う。私なら耐えられない。あ、耐えられる冷静でタフな人だから飛行士になれるのか。

====
もちろん、この程度のことで米国がへこたれることはあるまい。
米ソ冷戦の時代から、人的被害も乗り越えて、人類の先頭に立ってフロンティアを切り開いてきた米国だ。

だが、宇宙開発・宇宙探査はもはや人類のミッションである。特定の国が自国の利益や国威発揚で我が我がと進めるものではない。ましてや月や火星に我が国の領土をなんて言っているのは妄想としか言えない。
国際協調も必要なのではなかろうか。

無人輸送機については我が国日本でも技術も実績もある。
ただ、体制がNASAに比べるとだいぶ貧弱なようである。
もちろん、米国と日本では国の規模が違うので、NASAと同じ体制を背負えと言うのは無理な話なんだが、もうちょっと力を入れてもいいと思うのである。

たとえば種子島宇宙センターなんてのもだいぶ小ぶりであるし、近年予算不足で設備の老朽化やメンテ費用の不足がささやかれているらしい。
最新施設に更新し規模も拡大してほしいものだ。そして今回の無人輸送機の件で言えば、ISSへの輸送計画のバックアップとして、ロケットを一台ホットスタンバイしておくくらいの体制があっていい。研究機材というのはその都度違うだろうから準備しておくことはできまいが、人命を維持するための食料、水、医薬品、生活資材をスタンバイしておき、ロケットは燃料を注入すればすぐ発射OKくらいにしておくことはできないものか。
今回発射失敗の報をうけて2日後には日本から発射するくらいの体制である。
技術を磨くこともできるし、日本が縁の下の力持ちで控えているぜというのは大変にイメージ向上につながる。なにより、ISSにいる飛行士や研究者の安全は何にも代えがたい。

日本がこうした体制を整えれば米国はもっと野心的な計画やコストダウンの研究をする余裕もできるだろう。それは全体を向上させることになる。

日本と米国の宇宙開発の決定的違いは軍との関係である。
黎明期、現在と比べて危険極まりない宇宙旅行に命を懸けたのは軍人である。軍人が命を懸けてフロンティアを目指すということを肯定する世論・国民性というものが後押ししている。
スペースシャトルの時代になり軍人ではない研究者も宇宙に行くようにはなったが、飛行士は軍人であり、スペースシャトルと爆撃機の両方の搭乗経験があるなんて人もいるのだ。
細かいことだが、NASAで各拠点の連絡に使っている飛行機は戦闘機のF-5と共通設計の練習機T-38である。宇宙飛行士はこれに乗って飛行感覚を養うこともあるという。

日本ではこれはできない。防衛議論にも似ていて、人類に必要であれば危険を顧みず有人飛行にチャレンジするのは悪いことではないと思うが、現状では実現するとは思えない。
それでも民間人をアメリカやロシアの宇宙船にのせているので防衛議論よりは進んではいるのだが。

当面無人機による輸送ミッションについて日本が存在感を増していくのはいいことだと思う。だが、どうしても有人機という課題は越えねばなるまい。本道の宇宙開発は実績のある米国が主体かもしれぬがレスキューミッションというものも必要になってくる。
とりあえず無人の輸送機が出向いて行って人間を乗せて帰ってくるということができれば宇宙開発の安全度は高まる。即応体制という意味でこれは米国一国で対応できるものでもない。米国を中心に欧州、日本、それにISSから距離を置こうとしているロシアも含めて有人で往還まではできなくていいのでレスキューミッションが常にできる体制を作ってほしいと願う。
日本はそこに足を踏み込むべきではないかと思う。さらにレスキューミッションで交代要員や救助要員を送り込む必要に対応できることをかんがえれば有人で往還も目指していい。
その時に、当然実績のある米国の技術を導入し危険は黎明期より低いにせよ、日本主体で開発するならば危険を承知という面は否めない。そうなれば技術体力精神力を自衛隊で鍛えた人物が行くという選択肢になろう。別に強制するのではない。宇宙飛行士への登竜門ということになれば若者が応募することだろう。

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もちろん、宇宙開発が人類共通の課題だとしても日本独自で開発しなくてもいいんじゃないのという反論もあろう。金と人だけ出して米国主導でいいんじゃないのと。
その方が安全で効率的という考え方もできなくはない。
別に日本独自でやりました〜が大事なわけではない。国威発揚の時代は終わったのである。

だが、ある程度独立した技術が並行して発展していかないと危ういと言うのもあるのだ。
宇宙と有人で往還する機体が1種類しかない方が開発費は集約されて効率的だ。だが根本的欠陥が発見されたらどうなる。ご飯を運んでもらえない飛行士はどうなる。
米国が止まったら日本がいる、欧州がいるという体制が安全である。
地理的なことをいえば宇宙分野で進歩著しいインドがその枠組みに入ってくれたら万全である。地球の自転の関係で、米国、日本、インド、欧州と回っていくので、いつでもどこかは打ち上げに向いた位置関係になる。当然、管制拠点を作るにも必要な場所であろう。

まぁ私ごときがぶつぶつ言ってもどうしようもないことだし、私が生きている間にそうそう進歩することもあるまい。だが、未来を考えてしまうのである。
posted by Mozzo at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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