2015年03月29日

大塚家具の騒動から家具について考えてみたのである

割と有名な家具屋の大塚家具が騒動だそうな。

元(?)会長の父と社長の娘が対立して互いに経営から外そうと株主総会に諮ったところ娘が支持されたということらしい。
父はこれまでの高級路線の維持、娘は改革派だそうだ。

報道によれば社内の持株会は父を支持する層が6割、幹部社員(店長とか)では8割が父を支持していたらしい。
しかし外部の株主の判断は娘を支持しこの結果というわけだ。

株主は冷静かつ適切な判断をしたと思う。

この父は、娘には経営なんかできない、俺はまだ10年20年は行けると豪語したらしい。馬鹿である。
大塚家具をそれなりに大きな企業にできたから、それがこの先通用する、新しいことは認めんといっているわけだ。まさに成功体験に目がくらんだ老害経営者の典型である。
企業どころか生物も変化するものだけが生き残ってきた。適切な変化をするものが淘汰に耐え生き延びるのである。

報道では娘社長側が支持を得たことから、父会長指示派の粛清があるのではと戦々恐々などと面白おかしく報じている。それが本当のことかどうかは知らんが、派閥があって粛清がとかいう発想をしているのであればあっさり粛清されてしまえばいいと思う。粛清といっても左遷だろうし、どこぞの国のように牢屋に入れられたり死刑になったりするわけじゃない。発想が古すぎる。
発想も古いし、そもそも強い人になびいていきます、変革の提案なんてしませんといっているようなもので、そんな幹部はいらん。
大塚家具なんて知名度からは大した大企業ではないし、実態もそんなもんだ。それなのに大企業病にかかっているようだ。

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そもそも大塚家具ってみなさん利用してますか?
まぁ名前は知っているけど、実際に買うのは近所の家具屋だったりIKEAだったりニトリだったり。
もともと父会長は高級路線をとり、入店した客にくっついて個人情報を取り、結婚やら新居新築などのイベントに一式買わせるという、お得意様がっちり戦術をとっていたらしい。
これに反発したのが娘社長だ。

今日び、高級家具を一式一気にそろえる人がどれだけいるか。
大掛かりな(それは親がかりの)結婚披露宴が徐々に否定されているのと同じく、地に足がついた生活設計が徐々に主流になりつつある。
ニトリなんてのは安くても工夫されているものがあるし、IKEAも安くてデザインが北欧風でぐっとくるものがある。機能は充分に満たしているし生活レベルにあったいいデザインでもある。
家具にそれほど執着がなければそういうものでいいし、ある程度年齢が進んでいいものを買う余裕が出てきたらそれこそ桐の箪笥とか、北欧家具のいいところとか、アンティークとか趣味にあったところ目指すだろう。
また、家を新築やらリノベーションするときには収納家具は作り付けにするのが主流ではないか。テーブルと椅子以外の家具はすべて作り付け。箪笥やら食器棚は買わない。それが主流だと思うし、うちもそうしたいなぁと思っているところである。
婚礼家具一式なんてのは時代遅れだと思うのである。
また、店頭でちょっといいかなと思って入ったら個人情報をねちっこく取られて営業されるなんてうっとうしいという人が増えているだろう。ワタシだっていやだ。

この先これまでの大塚家具でうまくいくはずはない。そもそも、すでにIKEAやらニトリやらに頭を抑えられて落ち目で、娘社長が指揮を執って若干持ち直してきたという経緯があるというではないか。

もちろん、娘社長の戦略が本当に当たるかどうかはこれからのことだ。保証はない。だが、父会長の発想では「確実に」だめになるだろう。変化せねばいかん。

と、外野から見てそう思っているのだが、株主(かなりの部分を父会長と婦人、会社持株会が握っていても)が冷静に的確な判断を下したということは株式公開というのはなかなかいい制度なのだなと改めて思う。

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で、大塚家具の話題はこんなもんで話題転換。
ニトリやIKEAも含めて、家具が大企業によってばんばん売られているということは、逆に言えば古いものが捨てられているということだ。
必要な家具が買えない貧困家庭(しかも買えるようになった)はそうそうないし、世帯数は横ばいだ。
つまり安物ですぐに壊れるとか気に入らなくなるとかで捨てられてしまうとか、引っ越しの際に気分転換で買い替えて気にならないようなものばかりということになる。

売られているものがたいてい安物ということはないだろうか。
実際に安いものは安物だが、高級品を装って安物も多々ある。その辺のサラリーマンが結婚を機に買う婚礼家具一式なんてのは間違いなく安物である。

安い家具は接着剤の塊である。
まず無垢の木が使われず、集成材ということが多い。合板というのもある。
集成材というのは小さな木を接着剤で貼りあわせて大きな板材や角材にしたものである。
材料になる木もいろいろで、小さいながらもまとまった木を貼りあわせるならまだいいが、薄く剥いだ木の板を貼りあわせたものもある。合板(いわゆるベニヤ板)である。ベニヤというのはもとも薄く剥いだ木の板のことであるが、いつのまにか貼りあわせたものをベニヤというようになってしまった。
ベニヤ板は素材として丈夫で均質であるので板材として優秀であり「いいもの」である。無垢材であれほど薄く丈夫なものは作れない。否定しているわけではない。

それでも、集成材として「芯まで詰まった」材が使われていれば家具としてはまだましな方だ。フラッシュパネルというものがある。
厚い板を作る時に無垢やら集成材ならその量の木が必要になる。ところがフラッシュパネルは木枠を作ってそこに薄い合板を貼る。中は空洞だ。
安っぽい食器棚やらの板をたたくとぼんぼんとうつろに響くのはこのフラッシュパネルである。
無論強度は充分で軽いという利点があるのだが。

ここまではそれなりにまともな木を貼りあわせたものであるが、さらに木屑を樹脂で押し固めたMDFというものもある。
木屑のリサイクルになり、均質性がある(縦横の強度が等しい)という利点があり優れた素材ではあるのだが、接着剤の塊であるのは否めない。

集成材なり合板なりフラッシュパネルなりMDFなり、そうした「新しい」ものはなにも安さだけを狙ったものではない。それぞれ構造的に優れた素材であるのは確かだ。
だが、接着剤の経年変化という問題は避けて通れない。法隆寺をはじめ、昔の古民家など無垢の木で作った建造物が100年、1000年と素材の強度を失わないのに比べ、ベニヤ板はもろもろに砕けてくる。むろん何十年かは持つが。
また、家具というものは趣味の世界でもあって、風合いが高まるであるとか、修理して使えるであるとか、修理すると味があるとか、そういう楽しみがあるのであるが、新しい素材はそれに耐えないと思う。
また、膠のような伝統的な接着剤ならともかく合成接着剤を環境に大量に放出していいものだろうかという疑問もある。

安くて使いやすくて味が出ないというのであれば気軽に捨てられてしまうのも道理ではある。

拙宅で使っているキャスターのついたテーブルがある。何というタイプなのかわからんのだが、幅120cmほどのテーブルで折り畳み式の天板があって拡張できる。天板の下は引き出しもついて機能的である。日頃アイロン台に使ったり、来客時の補助テーブルとしてつかっている。
天板は残念ながら集成材ではあるが、厚く狂いが出ないのでよく、その他無垢材も使われている。堅牢なものだ。
これはとあるリサイクル家具屋で買ったもので、買ってすぐキャスターが破損した。
どうやら前のオーナーがいい加減な修理をしたらしく、本来6輪あるところを4輪にし、しかも貧弱なものにされていたらしい。
そこで修理を依頼したのだが修理に来てくれる家具屋を探すのに難儀した。
結局、遠くの家具屋さんから来てもらって部品代や修理代より出張費がかさむというありさま。

それでも修理して使いたいと思わせるものだったからよかったのである。
決して買い替えようなんて思わせないところがいい。

これが正しいのではないかと思うのである。

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本で読んだ話なので確証はないのだがドイツの話である。

日本で間に合わせの家具をひょいと買いに行く感覚で家具屋にいくと鼻で笑われるらしい。
日本人は食にこだわるがドイツ人は消えてなくなる食よりも住にこだわるらしい。家具に対するこだわりは相当なものという。
家具屋で家具を買うということはインテリアのコンセプトが決まって歴としたものを買うということを意味するようだ。まとめて買えなくとも長く続いているブランドの家具を買い足していくようなこともあるらしい。
当然その家具は安価ではない。

イギリスの話である。
イギリスではDIYが盛んだとかであるが、なんとアンティーク家具を自分で修理してしまうらしい。その説明をするテレビ番組なんてのもあるとか。家具という実用を超えた趣味の世界である。
椅子を張り替えたり、テーブルの傷を埋めたり、プロも裸足で逃げ出すレベルである。

日本でも修理して使うに足るレベルの家具を高い値段で売る店が生き残ってほしい。これまでの大塚家具のようなやり方じゃなくね。
そしてそれを修理する業者がたくさんいてほしい。安物家具は輸入できるが修理は輸入できない。国内経済のためにもなる。
無論、若い人がいきなりその完成レベルに行きつくはずはなく、「間に合わせ」が手に入るようなことでもなければならぬ。IKEAやニトリがそれを担うのだろう。
posted by Mozzo at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな正論! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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